正義のヒーローと邪悪な歌

むかし、とあるテーマパークに女の子とデートした時のコト。

そこでは水辺のアトラクションでヒーローショーをやってました。

 

正義の味方のおにいさん・おねえさんチーム

       VS

みにくい半魚人みたいな感じの怪人チーム

 

という構図。

ちびっ子たちにもわかりやすい設定でショーは始まります。

 

なんやかんやで怪人たちが攻め込んで

おにいさんがつかまってしまいました。

 

あっ!おにいさん、ピンチっ!

 

そのとき、おねえさんが歌を歌いだします。

 

その歌には不思議な力があって、

おにいさんに力をあたえるのと同時に、

怪人たちの力を弱める効果があるようです。

 

会場にひびき渡るおねえさんの美しい歌声。

ちびっ子たちも手に汗にぎって応援します。

 

「がんばれー!おにいさん!おねえさん!」

 

どこからともなく聞こえてくる歌声にひるむ怪人たち。

アタマを抱えて苦しみ叫びます。

 

「なんだー!この邪悪な歌はーっ!」・・・

 

・・・このセリフを聞いた瞬間、めちゃくちゃ感動したんですよ!

怪人にはおねえさんの愛の歌が

「邪悪な歌」

に聞こえるんです。

 

怪人たちは自分たちの「正義」のために

「邪悪な」おにいさん・おねえさんと戦っているんです。

なんなら、おにいさん・おねえさんを応援する

会場のちびっ子たちとその親御さんとも。

 

完全アウェーです。

 

それまでぼんやりながめていたショーでしたが、

急にのめり込みました。

 

にわかに湧き上がる興奮を表面上はおさえながら

(完全アウェーなので。。)

大穴狙いの馬券を握りしめているような感覚で

(なぜかギャンブル感覚で観てる)

最後には怪人たちの「正義」が勝つ!

という斬新なシナリオが用意されていると期待して!

 

『がんばれ!怪人たちっ!』・・・

 

・・・結果は、徹底的にやられてました。。

見事な完敗です。(当然ですけど。。)

 

 

あのセリフは、意図的に入れたのかなぁ?

示唆を含んだセリフだったなぁ。

ちびっ子たちは気がついたかなぁ?

 

ショーが終わってからずーっとそんなことばかり考えて、

なんならそんなことばっかり言っていたので

その後のデートは散々なコトになってしまいました。

 

そのときの彼女、ごめんなさい。